Linux&BSD:導入メモSlackware 11.0
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Slackwareについて
栄枯盛衰の激しいLinux界において15年の歴史を持つ古参ディストリビューション、Slackware。先進性に欠け、パッケージ管理や各種設定を手作業で行う必要があるが、簡潔かつプレーンな構成で手入れしやすい。まるでビンテージバイクをメンテナンスするような楽しさ(と苦労)を与えてくれる。
デスクトップ環境
公式レポジトリにあるデスクトップ環境はKDEとXfceのふたつ。そのほか、GnomeとEnlightement 17(E17)が有志ユーザにより用意されている。
パッケージ管理
公式レポジトリからパッケージをインストールするには、Slackware Package Browserで目的のパッケージを検索し、ミラーサーバからtar.gz形式のアーカイブをダウンロードしたあと、installpkgなどのツールでインストールするという手順をとる。ここで用意すると便利なのがslackpkg。このツールを使うと、パッケージの検索からダウンロード、インストールまでを一括して行うことができる。
インストール
ミラーサーバからインストールディスクのISOイメージ(日本国内では奈良先端科学技術大学院大学に置かれている)をダウンロードし、CD-R、DVD-Rなどに書き込む。このディスクをPCにセットしてSlackwareを立ち上げ、ログイン。「setup」でインストールスクリプトを開始する。
インストール中、パッケージを選択する場面がある。基本となるグループは「A・AP・D・L・N・X」。これに加え、KDE/QTベースの環境を構築する場合は「KDE」グループと「XP」グループの「xine-lib」「xmms」、GTKベースの環境を構築する場合は「XP」グループを選択する。そのほかのグループは必要に応じて追加すればいいだろう。
追加インストール
インストール完了後、インストールCD-2またはDVDをマウントし、extraパッケージをいくつか追加する。
Grub
デフォルトのブートローダはLilo。Grubを使用したい場合は追加インストールする。
$ cd /mnt/cdrom/extra/grub # installpkg grub-0.97-i486-2.tgz # grubconfig
2.6系カーネル
デフォルトのカーネルは2.4系。2.6系を使用したい場合は追加インストールする。
(シングルプロセッサの場合) $ cd /mnt/cdrom/extra/linux-2.6.17.13 # installpkg kernel-generic-2.6.17.13-i486-1.tgz # installpkg kernel-modules-2.6.17.13-i486-1.tgz (マルチプロセッサの場合) $ cd /mnt/cdrom/extra/linux-smp-2.6.17.13 # installpkg kernel-generic-smp-2.6.17.13-i686-3.tgz # installpkg kernel-modules-smp-2.6.17.13-i686-3.tgz
ルートのファイルシステムに合わせてinitrdを作成する。パラメータについては「/boot/README.initrd」を参照のこと。
$ cd /boot # mkinitrd -c -k 2.6.17.13 (パラメータ)
Grubの設定は以下のようになる。
title Slackware 11.0 kernel 2.6.17.13 root (ハードディスク番号、パーティション番号) kernel /boot/vmlinuz root=/dev/(パーティション) ro vga=normal initrd /boot/initrd.gz
パッケージ管理ユーティリティ
checkinstall(パッケージ作成ツール)とslackpkg(ネットワークインストールツール)をインストール。
$ cd /mnt/cdrom/extra/checkinstall # installpkg checkinstall-1.6.0-i486-2.tgz $ cp /mnt/cdrom/extra/slackpkg # installpkg slackpkg-2.09-noarch-1.tgz
アップデート
「/etc/slackpkg/mirrors」にミラーサーバをひとつ記述する。日本国内からアクセスする場合は以下の4つのいずれかがいいだろう。サンプルとして用意されているアドレスには誤りがあるので注意。
(理化学研究所) http://ftp.riken.jp/Linux/slackware/slackware-11.0/ ftp://ftp.riken.jp/linux/slackware/slackware-11.0/ (奈良先端科学技術大学院大学) http://ftp.nara.wide.ad.jp/pub/Linux/Slackware/slackware-11.0/ ftp://ftp.nara.wide.ad.jp/pub/Linux/Slackware/slackware-11.0/
「slackpkg update」で最新のインデックスを取得し、「slackpkg upgrade-all」で更新されたパッケージをアップデートする。
# slackpkg update # slackpkg upgrade-all
設定
Xウィンドウ
グラフィックカード、モニターなどに合わせてXの設定を行う。
# xorgconfig
サウンドドライバ
サウンドを利用する場合はAlsaのデータを作成する。
# alsaconf
ランレベル
デフォルトのランレベルは3(テキストログイン)。ランレベル4(グラフィカルログイン)で使用する場合、「/etc/inittab」の「id:3:initdefault:」を「id:4:initdefault:」に修正する。
Gnome、E17のインストール
Gnome
dlopline GNOMEからインストールスクリプトをダウンロード。日本語ロケール上ではインストーラの表示の一部が文字化けしてしまうので、この作業は日本語化前に行うか、一時的に英語ロケールに戻して行うといいだろう。
# installpkg (dropline-installer) # dropline-installer
E17
SlackE17からパッケージをダウンロード。
$ tar jvxf slacke17-20061225.tar.bz2 cd slacke17-20061225 # ./slacke17-install.sh max
日本語対応
日本語TrueTypeフォントのインストール
IPAフォントなどの日本語TrueTypeフォントをインストールする。
システムのロケール設定
システム起動時に環境変数LANGをja_JPに設定するようにする。方法はいくつかあるが、全員が日本語を使うなら「/etc/profile.d/lang.sh」の「export LANG=en_US」を「export LANG=ja_JP.utf8」に修正するといいだろう。
KDEと主要アプリのロケール設定
KDE
ロケールデータをインストール。
# slackpkg install kde-i18n-ja
インストール完了後、KDEコントロールセンターでKDEのロケール、キーマップを日本語対応に設定する。
KOffice
ロケールデータをインストール。設定はとくに必要ない。
# slackpkg install koffice-l10n-ja
Firefox
FirefoxローカライズセンターのFTPサーバから日本語ランゲージパックをダウンロードし、Firefoxのウィンドウにドロップしてインストール。Firefoxのアドレスバーに「about:config」と打ち込み、「general.useragent.locale」の値を「ja-JP」に書き換える。このあとFirefoxを再起動すると、日本語化される。
日本語入力アプリのインストール
SCIM・Anthyのインストール
SCIM(入力プラットフォーム)、Anthy(かな漢字変換エンジン)、SCIMAnthy、霞(辞書管理ツール)のソースをダウンロードし、インストールする。SCIMAnthyのインストール作業はSCIM、Anthyのインストール完了後に行うこと。
$ tar zvxf (解凍するソース) $ cd (解凍先のディレクトリ) $ ./configure $ make # checkinstall # installpkg (作成したパッケージ)
SKIMのインストール
KDEを使用する場合はSKIM(KDE用SCIMインターフェイス)をインストールする。この作業はSCIMのインストール完了後に行うこと。
$ tar jvxf (解凍するソース) $ cd (解凍先のディレクトリ) $ ./configure $ ./scons # ./scons install
環境変数の設定
SCIMを使用するにはデスクトップ環境の起動前に環境変数を設定する必要がある。方法はいくつかあるが、全員がSCIMを使うなら/etc/profile.d内にスクリプトを置いてもいい。具体的には「/etc/profile.d/scim.sh」を以下の内容で作成し、実行権限を与える。
export XMODIFIERS="@im=SCIM" export GTK_IM_MODULE=scim export QT_IM_MODULE=scim
SKIMの設定
SKIMを起動してアイコンから設定メニューを開き、「フロントエンド→SCIM全般→全般」の「キーボード配列」を日本語にする。キーボードの半角/全角キーでSCIMを制御したい場合は、同メニューの「キーボードショートカット」で設定するといい。さらに「フロントエンド→SCIM全般→全般」の「パネルプログラム」をscim-panel-kde、「設定モジュール」をkconfigに設定する。
KDE起動時にSCIMを自動的に開始させるには、「フロントエンド→Xウィンドウ」の「KDEの起動時にSKIMを開始する」にチェックを入れればいい。
Xfceセッションでの自動起動
Xfce起動時に実行されるスクリプトに「scim -d」を記述する。方法はいくつかあるが、全員がSCIMを使うなら「/etc/X11/xdg/xfce4/xinitrc」に書いてもいい。
そのほかの設定
デフォルトではCD-ROMのマウント権限がrootのみに与えられている。一般ユーザーとしてマウントしたい場合は、「/etc/fstab」の/dev/cdromの行にある「owner」を「user」に修正する。
sambaを使用する場合は「/etc/samba/smb.conf-sample」を「smb.conf」とリネームしてから設定を行う。