Linux&BSD:導入メモElive 0.6
Eliveとは
個性派ウィンドウマネージャEnlightenmentをフィーチャーしたDebianベースのライブCD。Enlightenmentの洗練されたグラフィックと遊び心あふれるギミック、軽快な操作感を気軽に楽しむことができる。気に入った場合はハードディスクにインストールして常用することも可能。一味違ったOSを求めている人におすすめしたいディストリビューションだ。

デスクトップ環境
標準ウィンドウマネージャはEnlightenment。開発版のE17と安定版のE16が用意されている。ほかのデスクトップ環境やウィンドウマネージャをインストールすることも可能だが、それではEliveを使う意味が半減するというものだろう。
パッケージ管理
パッケージ管理システムはDebianのDEB。Debianの豊富なパッケージ群を容易に導入できる。GUIパッケージマネージャはSynapticが用意されている。
インストール
公式サイトかミラーサイトからライブCDのISOイメージをダウンロードし、CD-Rに書き込む。このCDでPCを立ち上げ、インストールプログラムを実行すればいい。
日本語対応
インストール直後の日本語対応状況
インストール時に日本語を選択できるが、日本語TrueTypeフォントがインストールされないため、そのままでは日本語表示が文字化けしてしまう。インストール直後の日本語対応状況は以下のとおり。
| 項目 | 状況 | 備考 | |
|---|---|---|---|
| 全般 | ロケール | ◯ | ja_JP.UTF-8 など |
| キーマップ | × | ||
| タイムゾーン | × | ||
| X | ビットマップフォント | ○ | jiskan16.pcf、jiskan24.pcf、k14.pcfなど |
| アウトラインフォント | × | ||
| キーマップ | × | pc105 jp | |
| 日本語入力ソフト | × | ||
| デスクトップ環境(Enlightenment) | ロケール | ◯ | システムロケールに準じる |
| 主要ソフトのロケール | Mozilla | × | 英語 |
| Gnome Office | ◯ | システムロケールに準じる | |
文字化けで作業しにくい場合、画面下のドックから「Elive Control Panel」を起動してUser Configurations→Languages Selectorを選択し、ロケールを一時的に英語などに変更するといい。
キーマップとタイムゾーンの設定
キーマップ
Elive Control PanelからUser Configurations→Keyboard Configurationを選択し、「qwerty/Japanese」を選ぶ。
タイムゾーン
Elive Control PanelからUser Configurations→Date and Timeを選択し、日時とタイムゾーンを設定する。
IPAフォントのインストール
grass-japan.orgなどからIPAフォントを含むパッケージをダウンロードし、任意のフォルダに展開。IPAフォントを/usr/local/share/fontsにコピーする。
# mkdir -r /usr/local/share/fonts # cp (IPA fonts) /usr/local/share/fonts
Xの設定
/usr/local/share/fonts内にfonts.scale、fonts.dir、encodings.dirを作成する。
# cd /usr/local/share/fonts # mkfontscale # mkfontdir -e /usr/share/fonts/X11/encoding
/etc/X11/xorg.confの「Section "Files"」に「FontPath "/usr/local/share/fonts"」を追加する。これと同時に「Section "InputDevice"」の「"XkbModel" "pc105"」を「"XkbModel" "jp106"」に書き換えるといい。
Xftの設定
/etc/fonts/local.confを以下の内容で作成する。
<?xml version="1.0"?>
<!DOCTYPE fontconfig SYSTEM "fonts.dtd">
<!-- /etc/fonts/local.conf file to configure system font access -->
<fontconfig>
<dir>/usr/local/share/fonts</dir>
<alias>
<family>serif</family>
<prefer>
<family>IPAP Mincho</family>
</prefer>
</alias>
<alias>
<family>sans-serif</family>
<prefer>
<family>IPAP Gothic</family>
</prefer>
</alias>
<alias>
<family>monospace</family>
<prefer>
<family>IPA Gothic</family>
</prefer>
</alias>
</fontconfig>
E17の設定
Enlightenment設定メニュー(マウス左ボタンクリック→Configuration→Configuration Panel)の「フォントプロパティ」を選択し、フォントクラスを有効にしたうえで各フォントクラスのフォントをmonospaceなどに変更する。
デフォルトテーマ(elive)には欧文フォントが設定されているため、そのままでは日本語表示が文字化けしてしまう。まずテーマのデータをホームフォルダへコピーし、デコンパイルする。
$ cp /usr/share/enlightenment/data/themes/elive.edj ~ $ cd $ edje_decc elive.edj
~/elive/default.edc内のフォント設定の部分を以下のように修正。
fonts {
font: "ipag.ttf" "IPA Gotic";
font: "ipagp.ttf" "IPAP Gotic";
font: "Vera.ttf" "Edje Vera";
font: "04B.ttf" "04b08";
}
追加フォントを作業用フォルダにコピーし、再コンパイル。作成したデータをユーザーテーマのフォルダにコピーする。
$ cp /usr/local/share/fonts/ipag.ttf ~/elive $ cp /usr/local/share/fonts/ipagp.ttf ~/elive $ cd elive $ sh build.sh $ cp elive.edj ~/.e/e/themes/elive-jp.edj
このあとEnlightenment設定メニューの「テーマの選択」で作成したテーマを選択すると、E17が日本語化される。

E16の設定
デフォルトテーマ(detroit)には欧文フォントが指定されているため、そのままでは日本語表示が文字化けしてしまう。まずテーマのデータをホームフォルダへコピーする。
cp -r /usr/share/e16/themes/detroit/* ~/.e16/themes/detroit-ja
テーマの設定ファイルからTrueTypeフォントの記述を探し、日本語TrueTypeフォントに書き換える。具体的にはborders/common/border.cfg、borders/PAGER_ALTERNATIVE/border.cfg、init/init.cfgの3ファイルの「VeraMoBd」を「ipag」などに置換する。
同様にXFLD(論理フォント)の記述を探し、日本語表示にかかわる箇所を日本語ビットマップフォントを含むように書き換える。具体的にはdialogs/dialogs.cfgの「*font-dialog」「*font-dialog-hilite」、menustyles/menustyles.cfgの「*norm-7」、iconbox/iconbox.cfg、pager/pager.cfg、tooltips/tooltips.cfgの「-*-helvetica-medium-r-normal-*-*-80-*-*-p-*-*-*」などを以下などに置換する。
-*-fixed-medium-r-normal-*-14-*-*-*-*-*-*-*
このあとEnlightenment設定メニュー(マウス中ボタンクリック)で修正したテーマを選択する。選択中のテーマを修正した場合は、キャッシュをクリアしたうえで「Enlightenment再起動」を実行する。

主要ソフトの設定
Mozilla
FireFox、IceDove(ThunderBird)の日本語パックをインストール。
# apt-get update # apt-get install firefox-locle-ja # apt-get install icedove-locle-ja
GTK1アプリ
XMMS、LinNeighborhoodなどに日本語表示に用いるフォントを指定する。
$ cp /etc/gtk/gtkrc.ja ~/.gtkrc.mine
日本語入力ソフトのインストール
SCIM(汎用入力プラットフォーム)、Anthy(かな漢字変換エンジン)、SCIMAnthy、霞(辞書管理ツール)をインストール。
# apt-get update # apt-get install scim-anthy (ScimとAnthyも同時にインストールされる) # apt-get install kasumi
環境変数の設定
SCIMを使用するにはデスクトップ環境の起動前に環境変数を設定する必要がある。方法はいくつかあるが、全員がSCIMを使うなら/etc/profileに以下を追加するのも手だ。
export XMODIFIERS="@im=SCIM" export GTK_IM_MODULE=scim export QT_IM_MODULE=scim (QTアプリを使用しない場合は不要)
自動起動
Enlightenmen起動時にSCIMを自動的に常駐させるには~/.elxstrtというスクリプトの最後の行に「scim -d」を追加すればいい。