Linux&BSD:導入メモArch Linux
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Arch Linuxについて
Arch Linuxはシンプルな基本構成と強力なパッケージ管理システムをあわせ持つ興味深いディストリビューションだ。ひととおり使用できるようになるまでにいくつもの作業を行う必要があり、初心者にはやや敷居が高いが、そこさえ乗り越えられれば自分好みのシステムの構築をストレスなく楽しむことができる。
デスクトップ環境
公式レポジトリにKDE、Gnome、Xfceなど、コミュニティのレポジトリにEnlightenment 17(E17)などが用意されている。
パッケージ管理
Arch Linuxの「pacman」は、パッケージ間の依存関係を自動的に解決したうえでインストール、アップデートなどを行ってくれる、優秀なパッケージ管理システムだ。レポジトリに登録されているパッケージも豊富。ソースからビルドする必要性は少ない。
システムのインストール
公式サイトの情報を参考にインストールCDのISOイメージをダウンロードする。「Full」「Base」「FTP」の3種類のイメージが用意されているが、インストール先のPCからインターネットに接続できないなどの事情がない限り、「Base」か「FTP」がいいだろう。シンプルな基本構成にもとづいて自分好みのシステムを構築できることが、Arch Linuxの魅力のひとつなのだから。
ダウンロードしたイメージをCD-Rに書き込み、このCDでPCを立ち上げ、「# /arch/setup」でインストールスクリプトを起動する。スクリプトの言語は英語のみだ。
設定ファイルの編集
インストールの途中、設定ファイルの編集を求められる場面がある。手作業に慣れていないと戸惑うかもしれないが、見かけほど難しくはない。
「/etc/rc.conf」ではロケール、タイムゾーン、ネットワークに関する設定を行う。僕の場合、インストールの時点で修正が必要なのは以下の4か所だった。
LOCALE="ja_JP.utf8" TIMEZONE="Asia/Tokyo" HOSTNAME="(任意)" eth0="(ネットワーク環境に合わせて設定)"
「/etc/hosts」ではネットワークのホスト名、ドメイン名の設定を行う。「/etc/locale.gen」では「ja_JP.UTF-8」を非コメント化する。このファイルの保存後、ロケールの生成が行われる。そのほかのファイルはデフォルトのままでいいだろう。
パッケージの更新
インストールが完了したらPCを再起動してログインしする。初めにパッケージのインデックスを最新の状態に更新し、インストール済みのパッケージをアップデートしよう。この更新作業は、以後ときどき行う。
# pacman -Sy # pacman -Su
このあと、pacmanを利用して必要なパッケージを追加インストールしていく。
基本的なパッケージ
X
xorgをインストールし、「# xorgconfig」などで設定ファイルを作成する。
# pacman -S xorg xorg-clients xterm # xorgconfig
設定ファイル作成後、「# startx」でXを起動し、動作を確認する。エラーになった場合は、メッセージをチェックして不足しているパッケージを追加インストールする。僕の場合、「xf86-video-i810」(ビデオドライバ)を追加した。
alsa
alsa(サウンドシステム)とユーティリティをインストールし、設定ファイルを作成する。
# pacman -S alsa-utils # LANG=C alsaconf
システム起動時にalsaの設定を読み込むよう「/etc/rc.local」に以下の記述を加える。
/etc/rc.d/alsa start
同様に、システム終了時にalsaの設定を保存するよう「/etc/rc.local.shutdown」に以下の記述を加える。
/etc/rc.d/alsa stop
dbus/hal
dbus/halというサービスを利用すると、記憶メディアの認識などが容易になる。
# pacman -S hal
システム起動/終了時にdbus/halを開始/終了するよう「/etc/rc.conf」のDEAMONSという項目に「dbus hal」を追加する。
samba
Windows PCとともにネットワークを組む場合、sambaをインストールする。
# pacman -S samba
「/etc/samba/smb.conf.default」を「smb.conf」とリネームし、設定を記述する。必須項目はワークグループ名を指定するworkgroup。そのほかの項目はとくに必要がなければデフォルトのままでかまわない。
システム起動/終了時にsambaを開始/終了するよう「/etc/rc.conf」のDEAMONSという項目に「samba」を追加する。
オプション
mpd
Linuxで音楽を楽しむ方法のひとつに、mpdがある。
# pacman -S mpd
「/etc/mpd.conf.example」を「mpd.conf」とリネームし、設定を記述する。必須項目は音楽データへのパスを指定するmusic_directory。そのほかの項目はとくに必要がなければデフォルトのままでかまわない。
システム起動/終了時にmpdを開始/終了するよう「/etc/rc.conf」のDEAMONSという項目に「mpd」を追加する。
TrueTypeフォント
まず欧文TrueTypeフォントの定番をインストール。
# pacman -S ttf-bitstream-vera ttf-dejavu
つづいてIPAフォントなどの日本語TrueTypeフォントをインストールする。
デスクトップ環境
KDE
インストール
KDEのパッケージセットと日本語データをインストール。
# pacman -S kde kde-i18n-ja
コントロールセンターでロケール、キーマップ、フォントの設定を行う。
グラフィカルログイン
「/etc/inittab」のid:3:initdefault:を「id:5:initdefault:」、x:5:respawn:/usr/bin/xdm -nodaemonを「x:5:respawn:/opt/kde/bin/kdm -nodaemon」に修正する。
Gnome
インストール
Gnomeのパッケージセットとユーティリティ、GDM(グラフィカルログインマネージャー)をインストール。
# pacman -S gnome gnome-utils gdm
gedit(エディタ)、Gnome-terminal(端末エミュレータ)をインストール。そのほかのツールも必要に応じてインストールする。
# pacman -S gedit gnome-terminal
グラフィカルログイン
「/etc/inittab」のid:3:initdefault:を「id:5:initdefault:」、x:5:respawn:/usr/bin/xdm -nodaemonを「x:5:respawn:/usr/sbin/gdm -nodaemon」に修正する。
Xfce
インストール
Xfceのパッケージセットをインストール。
# pacman -S xfce4
グラフィカルログインにはGDMなどを利用する。
E17
インストール
「/etc/pacman.conf」の「Include = /etc/pacman.d/community」の行を非コメント化し、pacmanのインデックスを更新したあと、E17のパッケージセットをインストール。
# pacman -S e17
Enlightenment設定パネル(マウス左ボタンクリック→設定)の「外観:フォント:詳細設定」を開き、フォントクラスを有効にしたうえで各フォントクラスのフォントをsans serifなどに変更する。
テーマの日本語化
デフォルトのテーマには欧文フォントが設定されているため、そのままでは日本語表示が文字化けしてしまう。まずテーマのデータをホームフォルダへコピーし、デコンパイルする。
$ cp /opt/e17/share/enlightenment/data/themes/default.edj ~ $ edje_decc ~/default.edj
「~/default/default.edc」内のフォント設定の部分を以下のように修正。本来は全ソース中の「Edje-Vera」「Edje-Vera-Bold」を書き換えるべきかもしれないが、これぐらいは手を抜いてもいいだろう。
fonts {
font: "ipagp.ttf" "Edje-Vera";
font: "ipagp.ttf" "Edje-Vera-Bold";
}
追加フォントを作業用フォルダにコピーし、再コンパイル。作成したデータをユーザーテーマのフォルダにコピーする。
$ cp /usr/local/share/fonts/ipagp.ttf ~/default $ cd ~/default $ sh build.sh $ cp default.edj ~/.e/e/themes/default-jp.edj
このあと設定パネルの「外観:テーマ」で作成したテーマを選択する。
グラフィカルログインの設定
/opt/e17/sbin/entrancedを使用すればいい…はずだが、正常に動作させるには追加設定が必要なようだ。現在調査中。
主要アプリ
Firefox
Firefoxの国際データをインストール。基本パッケージ(firefox)も自動的にインストールされる。
# pacman -S firefox-i18n
OpenOffice
OpenOfficeの日本語データをインストール。基本パッケージ(openoffice-base)も自動的にインストールされる。
# pacman -S openoffice-ja
日本語入力
SCIM・Anthy・霞のインストール
SCIMAnthyをインストール。SCIM(入力プラットフォーム)、Anthy(かな漢字変換エンジン)も自動的にインストールされる。
# pacman -S scim-anthy
霞(辞書管理ツール)はソースからビルド。
$ wget (霞のソース) $ tar zvxf (ダウンロードしたソース) $ cd (解凍先のディレクトリ) $ ./configure $ make # make install
インストール完了後、「/etc/profil」eのパスの記述に「/usr/local/bin」を追加する。
環境変数の設定
SCIMを使用するにはデスクトップ環境の起動前に環境変数を設定する必要がある。方法はいくつかあるが、僕は/etc/profile.dにスクリプトを置いた。具体的には「/etc/profile.d/scim.sh」を以下の内容で作成し、実行権限を与えた。
export XMODIFIERS="@im=SCIM" export GTK_IM_MODULE=scim export QT_IM_MODULE=scim
デスクトップ環境の設定
KDE
KDEを使用する場合はSKIM(KDE用SCIMインターフェイス)もインストール。
# pacman -S skim
インストール完了後、SKIMを起動し、KDE起動時にSKIMを自動的に開始するよう設定する。
Gnome
「セッション:自動起動するプログラム」(システム→設定)に「scim -d」を設定する。
Xfce
「自動開始アプリケーション」(Xfceメニュー→設定)に「scim -d」を設定する。
E17
設定パネルの「Language:Input Method Settings」でscimを選択する。