メイン

2008年06月20日

Logan #3

広島原爆投下に居合わせた結果、二重の遺伝子変異を起こし、炎の怪物と化した元米兵。あの日、かけがえのない人の命を奪ったこの男に引導を渡そうと戦いを挑んだローガンだったが、アダマンチウムの爪も炎には無力。一瞬のすきを突いて、元米兵の腕がローガンの胸を破り、心臓を鷲づかみにするのだった…。

おもしろかった。じつはドラマらしいドラマはなく、状況設定半分、観念的ダイアログ半分、といった趣のお話なのだが、その質がとても高い。戦いのあといったん涅槃に足を踏み入れたローガンが、元恋人の霊と会話を交わして現世に戻ることを選択するくだりは、クリシェといえばクリシェだがやはり感動的だ。Eduardo Rissoの絵は正調Frank Miller節。ニコニコしながら描いたに違いない。

2008年05月19日

Logan #2

第二次世界大戦末期の日本。日本軍の人体実験施設を脱出したローガンは、逃走の途中、美しい娘と出会う。たちまちひかれあい、一夜をともにするふたり。しかし、別れはすぐに訪れる。彼と一時行動をともにしていた米兵が娘を刺殺するのだ。怒りに身を震わせながらローガンは米兵に立ち向かうが…。

よくできているが、舞台が広島だと明かされた時点でお話のだいたいの流れが見えてしまうという物足りなさも。もっとも、これは日本人の見方で、アメリカの読者にはショッキングな展開なのかもしれない。稲田がえんえんと続く田園風景だったはずなのに、原爆が投下されたとたん瓦礫の山が現れるのはご愛嬌。とはいえ、真摯に作られた作品であることは確か。セリフのひとことひとことに二重三重の意味が込められていて読み応えがある。

2008年04月29日

Logan #1

1945年、第2次世界大戦末期の日本。ある地方都市の軍事施設にひとりのカナダ人男性が運び込まれる。彼の名前はローガン。日本軍は彼の特殊能力に着目し、超人兵士開発のための生体実験を行おうとしていた…。

傑作の予感。冒頭のローガンの独白、“I was cursed with a body that just won't break, no matter what the world does to it.”でまずガツンとやられる。“the world”という言葉の選択に、彼をさいなむ孤独感がにじんでいる。Eduardo Rissoの絵もすばらしい。リサーチを重ねた日本描写、とくに城郭と軍装品(下士官が十四年式拳銃を持っている!)には感心させられた。女性も魅力的。やはり日本人女性は和服と日本刀だね。生体実験、捕虜虐待といった日本軍の残虐行為を思い起こさせる設定に居心地の悪さを感じつつ読み進むと、衝撃的なヒキが。すると導入部に登場した男はあの惨劇から生まれたのだろうか?

2008年04月14日

X-men: First Class #6-7

突然特殊能力を失ったXメン。ミュータントに影響を及ぼす小型彗星が近くに墜落したのだ。タイミングの悪いことに、そのとき、センチネルの大群が学園に近づいていた…。

佳作。空を覆い尽くすセンチネルの圧迫感。その1体を機転で破壊するスコットの頼もしいこと。後半、能力を取り戻したXメンが大活躍する場面はカタルシスたっぷり。キャラクター描写もよく、能力を失ったさいのスコットとウォーレンの対照的な反応が印象的だ。#6はジーンとワンダの交流を描いた短編を併載。こういう内容のアートをCollenn Cooverに発注するということは、編集者か誰かが例のあれを読んでいるのだろう。

2008年04月12日

X-men: First Class #10

連続失踪事件の発生。ミュータントの関与を察知したエグゼビア教授は、さっそく教え子たちを現場の廃鉱へ送ろうとする。ところが、直前に行われたカリブ海での任務の影響で、Xメンの大部分は体調不良に。やむなく、今回はスコットがひとりで対応することになるのだった…。

平凡。物語の都合上、この作品の最大の魅力、若きXメンたちの交流がほとんど描かれないのだ(制作チームもこのことは意識しているようで、そのぶん冒頭の体調不良シーンはサービスたっぷり。下ネタすれすれで楽しませてくれる)。ひとりぼっちが似合うところなどじつにスコットらしい、という点は良いのだが。

2007年08月24日

X-Men: First Class #1

第1期Xメンただひとりの女性メンバー、マーヴル・ガールことジーン・グレイ。とかく鈍感な男性メンバーたちに囲まれ内心ストレスを募らせている彼女を見かね、プロフェッサーXは女性ヒーローの第一人者、インヴィジブル・ガールことスー・ストームを紹介する。さっそく意気投合する二人。そしてジーンはファンタスティック・フォーの活動を見学することになるのだった…。

祝・レギュラーシリーズ化。手堅い作りの佳作。キャラクターの特徴をきちんと活かしてアクションシーンを構成しているのが好ましい。スーがマッド・シンカーの秘密基地のありかを探し当てる場面には驚かされた。男性陣、とくにスコットの木偶の棒ぶりは笑える。絵は相変わらずへたくそだけど、一生懸命描いているからまあいいか、なんてね。

2006年06月24日

X-Statix Presents: Dead Girl #5

地上に侵入を繰り返すピティフル・ワンを封じるため、冥界に下りたドクター・ストレンジ。しかし、エンシェント・ワンに身体を奪われたため、彼は道半ばで撤退を余儀なくされる。あとに残されたデッド・ガールは、かつてのXスタティクスのチームメイトたちとともに、ピティフル・ワンのアジトへ乗り込むのだった…。

リミテッド・シリーズ完結。おもしろかった。ドクター・ストレンジがいなくあったあとの一行の分裂に苦笑い。考えてみれば、たとえ地上がどれほど荒らされようとも、天国の住人たちには関係ないことかもしれない。“It isn't easy being dead”というセリフが印象に残る。実はカレン・ペイジの登場を願っていたのだが、それはならなかった。

2006年05月29日

X-Statix Presents: Dead Girl #3-4

ピティフル・ワンを封じるため、自ら死者の世界に足を踏み入れたドクター・ストレンジ。デッド・ガールの協力を得て、彼は少しずつピティフル・ワンに迫っていく。しかし、その動きを察知したピティフル・ワンも、反撃の機会をうかがっていた…。

X-Statixのメンバーがそろうと、やはりうれしい。ガイのへたれぶりに苦笑い。エディの颯爽とした登場に拍手喝采。タイクが地獄に落ちた理由がほのめかされるくだりでしょんぼり。冗談がおもしろく、印象的なセリフもいくつか。マーヴルの冥界にはまだまだ大物がいるが、これから誰か出てくるだろうか? 最終号が楽しみだ。

Dead Girl #4Dead Girl #4

2006年05月06日

Wolverine #41

内戦下のアフリカのある国へ潜入するローガン。彼はある“荷物”を戦禍から救い出すよう依頼されていた…。

傑作。行きがかり上民兵(彼らも内戦の被害者)を斬殺したあと自分を罵るローガン。口汚い言葉から、彼の憤り、悲しみが伝わってくる。無数の傷を受けて倒れかけた彼が、ある現実に直面して再び立ち上がるくだりが感動的だ。彼が守ろうとしたものはひとつの命にとどまらないことに注意したい。C.P. Smithのアートもすばらしい。

Wolverine #41Wolverine #41

2006年03月10日

X-Statix Presents: Dead Girl #2

冥界からこの世界へ侵食するピティフル・ワンたち。彼らを再び葬り去るため、ドクター・ストレンジは自ら地獄へ赴く決意を固める。彼はまずデッド・ガールとコンタクトを取り、さらにファントム・ライダー、アントマンといった亡者たちを仲間に誘うのだった…。

おもしろい。デッド・ガールの復活シーンは漫画ならではのばかばかしさ。アナーキストは生前同様自問自答の繰り返し。うつむきながら強い酒をあおる彼に強いシンパシーを感じていたことを思い出した。ミスター・センシティヴは相変わらずうじうじ。死んでも治らないというわけか(笑) さて、ユー・ゴー・ガールはいつ、どんなふうに登場するのだろうか。