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2008年04月25日

Spider-Man: With Great Power... #1-2

サイエンス・ギークの高校生、ピーター・パーカー。ジョックスにいいようにからかわれるフラストレーションの多い毎日を送っていた彼に、文字どおり生まれ変わるような出来事が起こる。原子力実験見学中、放射線を浴びたクモに噛まれたことから、遺伝子が変異し、クモの能力を得たのだ。“これを機会にルーザーから脱したい。それにはお金が必要だ”そう考えたピーターは、覆面レスラー“スパイダーマン”としてマット界に飛び込むのだった…。

David Lapham/Tony Harrisによるオリジン・リトールド。お話はいまのところ平凡。“「Amazing Fantasy」#15は本当によくできていたんだな”というのが正直な感想だ。クラスメイトがパーティの話で盛り上がっているところに科学実験がどうこうと割り込むKYなピーター。毎朝彼の肩や腕を触り、成長を確かめて喜ぶベン叔父さん(このひとコマで彼の人物像がわかる)。こういう気配りが行き届いていたオリジナルとくらべると、ステロタイプなキャラクター解釈が目につき、残念ながら薄さを感じてしまう。次号あたりでお話が大きく動くと思われるので、挽回を期待したい。

2007年10月03日

The Sensational Spider-Man #38-39

メイおばさんの容体にはいっこうに回復のきざしが見えなかった。なんとしてでもおばさんに直接呼びかけ、はげましたい。そのため、ピーターは超能力者マダム・ウェッブの力を借りることにする。だが、彼は気づいていなかった。メイおばさんがいる病院には、ヴェノムの宿主、エディ・ブロックも入院していたのだ。末期癌患者の彼にとって、これ以上失うものは何もない。そして、無防備なピーターの親族は、絶好の復讐の的なのだ…。

“The Last Temptation of Eddie Brock”#1-2。それぞれ単独で十分成り立ちそうなマダム・ウェッブとエディ・ブロックのエピソードを1本にまとめ、しかも前後編というコンパクトな形に仕上げていることに、Roberto Aguirre-Sacasaの才気を感じる。平凡なライターならこれで半年は引っ張っていただろう。マダム・ウェッブのパートは感動的。メイおばさんがピーターにある言葉をかけたときは、迷惑ばかりかけた亡父のことを思い出さずにいられなかった。アンナおばさんのひさしぶりの登場もうれしい。エディ・ブロックのパートは、対照的に、胸が悪くなるような内容。悪事を働くよう彼に執拗にささやくヴェノムをどう解釈するか、つまり外在的な存在ととらえるか内面の発露ととらえるかによって、感想が変わってくるだろう。僕は後者の立場。憎しみの感情に翻弄されれながらも無力な老人を手にかけることにはためらう彼を、哀れと思わないわけではないのだが。

2007年09月13日

Amazing Spider-Man #542-543

素顔を明かしたことで結果的に家族の命を危険にさらしたピーター。事件の再発を防ぐため、ピーターはキングピンことウィルソン・フィスクに1対1の戦いを挑む。衆目の前でマスクを脱ぎ捨て、彼は犯罪王にこう告げるのだった。“スパイダーマンではなくピーター・パーカとしてお前を殺しに来た”と…。

“Back in Black”#4-5。つまらない。転落劇を語りたいのは分かるが、主人公がこう短慮では気持ちがさめる一方だ。ピーターがパワーの定義を語るくだりではげんなり。君が君なのは壁に張りつくことができるからじゃないだろう、ピーター。全5冊の長丁場を一瞬の緩みもなく乗り切るあたり、J.Michael Straczynskiは確かに非凡なライターだが。毎回同じことを書いているが、Ron Garneyの絵は本当にすばらしい。キャラクターの存在感、MJの美しさ、簡潔だが厚みのある背景など、目を楽しませてくれる。

2007年08月17日

Friendly Neighborhood Spider-Man #17-19

仇敵のひとり、サンドマンことフリント・マルコがピーターに助けを求めてくる。彼の父親が、殺人の濡れ衣を着せられ逮捕されたというのだ。当初ピーターは協力を拒むが、ある事実を知り、フリントとタッグを組むことになる。というのも、事件の被害者は彼の叔父、故ベン・パーカーと瓜二つだったのだ…。

“Sandblaster”#1-3。不完全燃焼。物語の構成は凝っていて、テンポは良く、シニカルなユーモアも効いているが、かんじんなプロットがおもしろくない。悪人のセコさが、その原因のひとつだろう。スパイダーマン・ヴィランに地球征服を目指せとはいわないが、せめてコンビニ強盗ぐらいはしてもらわないと。時空間をはるばる越えてやって来て、高校の主事の座に収まられてもなあ。

この3号のカバーを、先日亡くなったMike Wieringoが担当している。親しみやすい絵柄で僕たちを楽しませてくれたMikeだが、これらの作品を見ると、画面構成の面でもすぐれたアーティストだったことがわかる。惜しい才能が失われたものだ。彼の早すぎる死を悼みたい。

2007年08月13日

The Amazing Spider-Man #541

いまだに回復しないメイおばさんの意識。悪人たちに狙われる身となったいま、病院に長期間とどまることは危険だ。事態を打開するため、ピーターはある賭けに出る。それと同時に、彼にはもうひとつ行わなければならないことがあった。犯罪王ウィルソン・フィスクに、自分たち家族に二度と手を出させないようにするという…。

“Back in Black”#3。お話は好きになれない。なぜこの作品のピーターはこのように短慮なのか。青年時代の彼のようにいっぱいいっぱいになってヘマをしてしまうのとは違う。たんに物事を考えていないようにしか見えない。一方、Ron Garneyの絵はすばらしい。MJの美しさ。ライカー刑務所への潜入シーンの簡潔だが緊張感あるコマ割りなどなど、見所たっぷりだ。ときおり使う平面的な表現にはMazzucchelliやSienkiewiczの影響がうかがえると思う。

2007年08月11日

The Sensational Spider-Man #35-37

続々と現れる偽スパイダーマン。彼らは何者かに拉致され、薬物投与によりスパイダーマンに似た超能力を付与されていた。なかには、深刻な副作用が発症している者もいた。このような事態を放置することはできない。メイおばさんの容体を気にかけつつ、ピーターは捜査に取りかかるのだった…。

佳作。ヴィランの行動に合理性がない、アクションに欠けるという欠点はあるが、許容できるレベル。警察の留置場がさまざまなスパイダーマン(スカーレット・スパイダー、コズミック・スパイダーマンまでいる)であふれるシーンは愉快。探偵物のおもしろさもあり、なかなか楽しめた。

2007年08月08日

Friendly Neighborhood Spider-Man #16

学生時代の恋人、デブ・ホイットマンが自分のことを書いた暴露本を出版する。彼女のサイン会に出掛けたピーターは、ヴァルチャーの待ち伏せにあってしまう。空高く連れ去られ、放り投げられるピーター。人々が悲鳴を上げるなか、ピーターが地面に激突する瞬間が間近に迫るのだった…。

80年代のスパイダーマンを彩ったデブをはじめ、ベティ、フラッシュといった懐かしい顔ぶれが登場。彼らの言動もイメージどおり。キャラクター像をまったく崩さない。それだけに、終盤のピーターの行動への違和感がかえって際立ってしまう。彼は人様に人生訓を垂れて得意がるような人間ではないはずなのだが。Peter Davidのことだからうっかりミスとは思われない。意図を測りかねるところだ。

2007年08月04日

The Sensational Spider-Man #34

夜の街でライノの行方を追う、ブラックキャットことフェリシア・ハーディ。“Civil War”のさなか、ライノはフェリシアのかつてのパートナー、ピーター・パーカーを半死半生の目に遭わせたていた。彼女はその復讐を企てているに違いないと、誰もが考えたが…。

心に残る小品。いま思うと恥ずかしいことだが、“Civil War”のなかでピーターがスパイダーマンは自分だと名乗り出たとき、僕は作品を読みもしないで“また話題作りのためにキャラクターを傷つけるようなことを”と否定していた。彼が素顔をさらしたことにこのような意味を見出せるなどとは、考えてもいなかったのだ。それだけに、終盤、フェリシアの意図が明らかになったときには驚き、感動させられた。ライターのRoberto Aguirre-Sacasaに惜しみない賛辞を送りたい。

2007年07月27日

The Amazing Spider-Man #539-540

“Civil War”の流れのなかで自分の素性を明かしたピーター。危惧されたとおり、彼の私生活はたちまち危険にさらされる。そして、流れ弾を受ける形で、メイおばさんが撃たれてしまう。容態は深刻だった。ピーターは怒りをあらわにし、彼らしくない強引な手法で犯人を追い詰めていく。まるで、感情に身を任せることで、不安から気持ちをそらしているかのように…。

“Back in Black”#1-2。Ron Garneyのすばらしい絵に目を奪われる。人間の顔面の立体的な表現。上半身、とくに肩から上腕にかけてのラインの美しさなど、見所は多い。キャラクター同士の関わり合いが薄く、主人公以外が記号同然なのは困りもの。緩急が利いていてスムーズに読めるのは良いのだが。

2006年02月05日

Spider-Man/Human Torch #4

スパイダーマンとブラックキャットがコンビを組んでいたころのお話。ある日、ピーターはフェリシアから一緒にワカンダ大使館へ忍び込んでほしいと頼まれる。即座に断る彼だったが、彼女がヒューマントーチをパートナーに選んだことを知ると、冷静ではいられなかった…。

おもしろい。Dan Slottは既存キャラクターの設定をふくらませるのが本当にうまいと思う。ヒロインを立て、主人公二人を道化役にしているのもいい感じだ。フレンチメイド姿のシーハルクは眼福。

Spider-Man/Human Torch #4Spider-Man/Human Torch #4