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2008年07月02日

Captain America #38

“The Man Who Bought America” #2

レッドスカルの秘密基地でスティーヴを発見したシャロン。しかし、その男は一時期キャプテン・アメリカとして活動した別人だった。レッドスカルとファウスタス博士は彼を“自分たちの意のままに働くキャプテン・アメリカ”に仕立て上げようとしていたのだ…。

じらすなあ。“レッドスカルにキーワードをささやかれ、ふたたび殺人マシンと化したバッキー。そこへ伝説のシールドが飛来する。スティーヴ・ロジャース、キャプテン・アメリカが復活したのだ!”という場面を早く読みたいのに、話が八の字型にどんどん広がっていく。ふつうならイライラするところだが、その広がったお話もなかなかおもしろい。結果、クライマックスへの期待を胸に抱きつつ、いまいまの展開を楽しむことに。なかなかのテクニシャンだ、Brubakerは。

2008年05月22日

Captain America #36-37

“The Death of Captain America”

レッドスカルの暗躍は米国に深刻な社会不安をもたらす。負傷した身で暴動寸前の人々の前に立ち団結を呼びかけるバッキー。しかし、せっかくの行為も“偽キャプテンアメリカ”という心ない言葉を投げつけられて終わってしまう。さらに、この出来事の影響で彼はシールドの支援を受けることができなくなる。バッキーはいったん前線を離れ、ファルコンとともにシャロン・カーター捜索へ活動を転換するが…。

いい感じにいやな感じになってきた。レッドスカルの反応を見ると、バッキーの洗脳は完全に解けていないのだろう。覚醒のキーワードはスティーヴが夢で伝えようとしたロシア語だろうか? シャロンが発見した人物の正体も気になるところ。米国をさらに混乱に陥れるためレットスカルが用意した偽スティーヴ、という可能性もあると思うが、さて。

2008年04月22日

Captain America #34-35

“The Death of Captain America Act 2 - The Burden of Dreams: Part 4-5”

スティーヴの遺志を継ぎキャプテン・アメリカの衣装を身にまとったバッキー。しかし、活動開始そうそう、彼はたいへんな困難に見舞われる。レッドスカルの暗躍により、アメリカの人々は不安に駆られ、経済的混乱、社会的緊張が臨界点に達したのだ。そして、群集が政府に抗議しようとホワイトハウスに詰め掛けたとき、悲劇は起こった…。

胸の痛む展開。ことあるごとに“スティーヴだったらどうするだろう”と考えずにはいられないバッキー。彼とともに、読者もスティーヴの不在をあらためてかみしめ、自問自答せざるを得ない。レッドスカルの計画が周到で完璧に見えることも、重苦しい空気を生んでいる。スティーヴと異なり、バッキーには同志と呼べる仲間がいないのもつらいところだ。いったいどうすればこの状況を変えられるのか。いまバッキーが背中に感じている重みはそうとうなものだろう。

2008年04月16日

Young Avengers Presents #1

第二次世界大戦中、合衆国陸軍の超人兵士計画の一員だった祖父を持つ少年、イーライ・ブラッドレイ。若きヒーロー“パトリオット(愛国者)”として活躍する彼だったが、その一方でさまざまな問題を抱えた現在のアメリカ社会のありようには疑問を感じざるを得なかった。その迷いは、キャプテン・アメリカ、スティーヴ・ロジャースの死後、ますます膨れ上がるのだった。そんなある日、彼はキャプテン・アメリカのパートナーだったバッキーが祖父を訪ねに来たことを知る。“バッキーはいまのアメリカをどう思っているのか?”それを確かめようと、イーライはバッキーの後を追うのだった…。

若い読者を意識したのだろうか? Ed Brubakerのスクリプトはいつもよりストレート。衒いや韜晦のない彼もなかなかいい。“America is an idea”というセリフには考えされられた(“the idea”ではないのに注意)。余計な気を回してケイトとバッキーの間に予防線を引こうとするイーライがかわいらしい。Paco Mediaってこんなにいいアーティストだったっけ? ていねいな描写が好印象。

2007年11月13日

Captain America #31

レッドスカル一味に捕らわれたバッキーは、むごたらしい拷問を加えられる。彼とスティーヴのきずなに執拗にくさびを打ち込もうとするファウスタス博士。その狙いは、彼を洗脳し、ふたたび殺人マシンにすることにあった。そして博士のかたわらでは、スティーヴと関係の深いある人物が助手を務めていた…。

“The Death of the Dream”#2。バッキーがかわいそうすぎる。ファウスタス博士が作り出した悪夢のなかのキャプテン・アメリカをことごごく偽者だと見破った彼が、最後の最後にあのような形で折れてしまうとは。それだけ、彼の心の傷、絶望が深かったということなのだろう。もっとも、バッキーが本当に洗脳されたのかどうかはまだわからないが。シャロンの看護婦姿はちょっといいね(笑)。

2007年10月16日

Captain America #30

スティーヴ・ロジャース殺害に関与した連中に鉄槌を加えるためアレクサンドル・ルーキン(元赤軍将校。レッドスカルとともにさまざまな悪事を働いた。現在は身体をレッドスカルになかば乗っ取られている)のオフィスに侵入したバッキー。クロスボーンとシンを相手に奮戦するものの、最終的に彼は捕らえられてしまう。そのころ、シャロン・カーターはある重大な事態に直面していた…。

“The Death of the Dream”#6。地味な展開だがなかなかおもしろい。レッドスカルのどうどうとした悪役ぶりは小気味いいほどだ。しいて難点をあげればアクション描写が漫画らしいギミックに欠けること。シールド投げは偉大だったと、あらためて思う。バッキーがスティーヴを“My Friend”と呼ぶのに驚く。英語のFriendと日本語の友人は概念が異なるのだろうか。ラスト、スティーヴがトニー・スタークに宛てた手紙の文面に衝撃を受ける。これが彼の真意だとすれば…。

2007年09月06日

Captain America #29

大胆不敵にもシールドの施設に押し入る、レッドスカルの娘、シン。キャプテン・アメリカ暗殺の実行犯、クロスボーンズを逃走させることに、彼女はまんまと成功する。この出来事により、暗殺事件を追う4人─シャロン・カーター、ファルコン、ブラックウィドウ、そしてバッキー─の注意はあらためてレッドスカルに向かうのだった。

“The Death of the Dream”#5。事件の進行をたんたんと叙述。おもしろい。人をひきつけるのが一段とうまくなったね、Ed Brubakerは。損な役回りを引き受けさせられたトニー・スタークにほんの少しだけ同情。暗殺事件の現場でシャロンが取った行動の真相はまだ明らかになっていないと思う。スティーヴが復活するとしたらこのあたりにカギがあるのかも。どうだろうか?

2007年08月14日

Captain America #27-28

スティーヴ・ロジャースの死は、彼の周囲の人間関係にも深刻な亀裂をもたらした。復讐を誓ったバッキーは、シールドの総帥の座に就いたトニー・スタークを最初の標的に定め、準備に取り掛かる。彼を止めるよう依頼されたシャロンだったが、トニーへの不信感と彼女自身の贖罪意識から、直接的な追跡を取り止め、バッキーの最終目的になると思われるレッドスカルの探索に向かう。そのころ巷では、レッドスカルの娘、シンが、残虐なヴィランを集め襲撃事件を繰り返していた…。

“The Death of the Dream”#3-4。タイトルの“The Dream”とは何を指すのか。バッキーの夢はもちろん、シャロンの夢も、そしてトニー・スタークの夢ももはやかなうことはないのか。そんなことを考えながら読み進んでいたら、#28の“手紙”のくだりで不意を突かれた。早く手紙の内容を知りたいものだ。シンの暴力描写は鮮烈。ページをめくる指先まで血糊が飛んで来そうだ。絵が少し荒れてきたのは気になるところ。ところで、予告によると#31以降のストーリアークのタイトルは“Death of Captain America”なのだそうだ。ということは、スティーヴの死はまだ語られてもいない、のだろうか?

2007年07月18日

Captain America #25-26

「超人登録法」への抵抗を中止し、政府に投降したスティーヴ。合衆国への反抗を罪に問われ、法廷に引き出された彼を、狙撃銃が狙う。悲鳴と怒号が飛び交うなか、さらに至近距離からの銃弾2発が、彼の身体を貫くのだった…。

「The Death of the Dream」#1-2。衝撃的な展開。とはいうものの、“スティーヴ・ロジャース/キャプテン・アメリカの死”をまともにとる読者がそうそういるとは思えない。ライターがレッドスカルとフォギー・ネルソンの死を偽装したEd Brubakerともなればなおのこと。当のBrubakerもこのことを十分自覚していて、無惨な死体をわざわざ見せつけてくれる。きちんとした意図のある作劇であることは理解しつつ、しんどいという思いも。第二次世界大戦の回想シーンが、秘密トンネルとか古城とかいうものではなく、廃虚と化した市街地なのも興味深い。機会があればBrubakerに理由を尋ねてみたいところだ。主人公は不在だが、悪役たちはすばらしいことも付け加えておく。

2007年02月13日

Captain America #22-24

超人登録法に端を発したヒーロー・コミュニティの分裂。人々から敬意を受けていたキャプテン・アメリカが反政府側に身を投じたことは、彼に近い人々―シャロン、バッキーなど―にも大きな影響を与えた。また水面下では、ヒーローたちが身動きできないのをいいことに、悪人たちが何かを企み始めていた…。

“Civil War”タイイン。本編を読んでいれば問題にならないかもしれないが、そうでない僕には、“3回かけて、結局場つなぎか”というのが正直なところ。スティーヴはこの衝突の中心人物のひとりなのだから、タイインよりもクロスオーバーのほうがふさわしいと思うのだが、難しいのだろうか。ただ、“自分はキャプテン・アメリカであることを公にして国に仕えてきた。だからこそ、人々にそれを強制することはできないんだ”というスティーヴの言葉には、説得力があった。