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2007年07月22日

Optic Nerve #11

西海岸に暮らしていた日系人同士のふたり。女が“距離を置きたい”と申し出た原因のひとつに、男の白人女性へのファンタジーがあった。こうして女が東海岸へ発って数ヶ月。白人女性に手ひどく振られたうえ、仕事にも行き詰った男は、恋人の様子を確かめるため大陸の反対側へ赴くのだった…。

3部作完結。うわあ。1部、2部では主人公の男のあまりの情けなさにクスクス笑える部分もあったが、今回は身につまされる身につまされる。別れ話の場面では僕自身言われた覚えがある言葉が飛び交い、いたたまれない気分に。そうか、防御的になって子どもじみた対応に出ると、第三者からはこのように見えるのか。気をつけよう。お祭り見物の帰りの車中で読んだら、楽しい気持ちが吹き飛んでしまった(苦笑)。今回のストーリーアークは傑作だ。

2006年07月05日

Optic Nerve #2

新聞の三行広告にふと目を留めた女性。“カフェで見かけた君。もう一度会いたい…この尋ね人は私かもしれない。いったい誰が?”半信半疑、かついくらかの期待を胸に、彼女は指定の待ち合わせ場所に足を運ぶのだった…。(The Connecting Thread)

さえてるなあ。Paul LeeもDavid Hahnも、たぶんこの作品に影響を受けたんだろうな。「Pink Frosting」のショッキングな暴力描写に身震い。「Summer Job」のとことんダメな青春、共感する人が多いのでは。日本語版を買って周りの連中に読ませるか。

2006年06月30日

Optic Nerve #1

別れた恋人から誕生日を祝う電話がかかってくる。ひさしぶりの食事。付き合っていたころと変らない会話。このまま二人はやり直せるかもしれないと、男は思い始めた。しかし…。(Sleepwalk)

記念すべきD&Q版「Optic Nerve」第1集。物語は上質。最近の作品と比べると絵はやや固いが、構成、会話はすでに完成されている。少しひんやりとした人間関係が良い。上記の「Sleepwalk」のほか、離れ離れになった男女のむなしい性を描いた「Long Distance」、老女の孤独な昼食を描いた「Lunch Break」が心に残った。

2006年06月24日

Optic Nerve #3

心が通じ合うと信じていた双子の妹。しかし、夏休みの小旅行のさい妹の日記を盗み読んでしまったことから、姉が思い描いていた関係はもろくも崩れるのだった…。(Dylan & Donovan)

Adrian Tomineの作品集。この号は短編が4本収録されている。気まずさをベースにしているところがアメリカのマンガらしいと思う。その気になればいくらでもきれいにまとめられる「Dylan & Donovan」。わざわざ舞台をコミコンにしてトホホ感を倍増させているのがなんとも。盲人と店員の交流を描いた「Supermarket」には冷たい水の中に落されるような恐ろしさを感じた。これらの作品は日本語版「Sleepwalk」にも収録されているようだ。

2006年03月05日

Crikets #1

深い森の中に住み、小動物を捕食して暮らす、謎の巨人。ある日、雨のように降り注ぐ矢に追われ、一人の男が森へ逃げ込んでくる。無数の傷を受けながらもバイタリティに満ちたこの男に、巨人は関心を抱くのだった…。

Sammy Harkhamの新シリーズ。説話のようなお話だ。成り行き上としか言いようがない経緯で命を奪われてしまう親子の、不条理な運命が心に残る。ちなみに、本体の前に裏表紙を読んでおいたほうが、お話に入りやすい。

Crikets #1Crikets #1

2006年01月08日

Optic Nerve #10

ベン・タナカ。日系人。30歳。独身。いま彼は、白人女性への強迫観念に似たファンタジーにとりつかれていた…。

Adrian Tomineの最新作。基本的にまじめな作品なのだが、主人公のあまりのふぬけぶりに、読んでいて笑いをこらえることができなかった。ひとつだけ紹介させてもらうと、バイ・セクシャルの女性にほかの女性と天秤にかけられる形でふられたあと、レズビアン物のポルノDVDを買い求めるのだ。“ハハハ…情けない奴…”と失笑しながら、身につまされた。