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2008年06月16日

Hack/Slash #8-9

女子大の学生寮で発生した猟奇殺人事件。捜査の過程で、キャシーは同性愛者の秘密クラブの存在をつかむ。彼女の直感どおり、クラブ内では連日忌まわしい儀式が執り行われていたのだ。そのころ、政府系のある超常現象捜査チームもこの事件に関心を寄せていた…。

おもしろかった。レギュラー化以後では最高だと思う。B級ポルノ映画まがいの設定でエログロ度は十分。クライマックス、クラブの主宰者の正体が明らかになるくだりは諸星大二郎を思わせるおぞましさ。ヴラッドの活躍もよかった。永遠の美しさを求めて身勝手にもおおぜいの若い女性の命を奪った妖怪と、醜い容貌に内心苦しみながらも毅然と振る舞うヴラッドの対比。妖怪の罵倒に“そうだ”と応える彼が断然かっこいい。エピローグを人情話ふうにして余韻を残しているところに、Tim Seeleyのこのジャンルへの愛情が感じられる。

2007年11月18日

Hack/Slash: The Series #5

1体のスラッシュがある研究所に運び込まれる。このスラッシュには、人間だったころ、ヌードモデルとして活躍していたという経歴があった。そして、研究所には少年時代彼女のファンだった研究員がいた…。

子どものころピンナップガールに恋心を抱いてしまうのはよくあるお話。そういう少し気恥ずかしい設定を取り入れてしまうあたりに、アンダーグラウンド・コミックのかおりがする。メインストーリーと平行して、主人公のキャシーとヴラッド、それに二人をサポートする男女の日常が描かれる。キャシーとヴラッドはまるで姉弟のようだ。お互いと出会うまで二人が幸福な家庭というものを知らずにきたことを思うと、切ないものがある。男女にページを割く意味はよくわからい。平凡な関係と隣り合わせにすることで、キャシーとヴラッドの特別な関係を際立たせようとしているのだろうか?

2007年10月16日

Hack/Slash: The Series #4

処女を魔物に捧げることでスターの地位を得たロッカー。真相解明に乗り出したキャシーだったが、ロッカーの罠にはまり、魔物のいる異次元へ送り出されてしまう。抵抗むなしく魔物のおぞましい触手に捕らわれるキャシー。そのころ表の世界では、童貞結界を突破したヴラッドが、ロックバンドのメンバーたちに戦いを挑んでいた!

わはは。悪趣味でたいへんよろしい。悪魔に魂を売ったロッカーたちを二丁包丁でばっさばっさと切り刻むヴラッドのかっこよさ。キャシーがあまり活躍しないのは残念だけど、戦いの最後、中年グルーピーが啖呵を切る場面は拍手喝采もの。たいてい相手にされない彼女のようなキャラクターに温かい眼差しを注いでいるのが、Tim Seeleyらしいと思う。

2007年07月31日

Hack/Slash: The Series #3

スラッシュ(邪悪な力に見入られ殺人鬼と化した人間)のロックバンドの罠に落ちたキャシー。彼らは成功と引き換えに処女を邪神に捧げていたのだ! キャシーを助けようと試みるヴラッドだったが、童貞の身では彼らが張った結界を破ることは不可能だった…。

わはは。今回はいつにも増してオフビートな展開。表面的にはエログロだが、中年に差し掛かり見向きもされなくなったグルーピーが結果的にみんなを救うキーパーソンになるというあたりに、Tim Seelyの温かな視線を感じる。ところで、人殺しはたとえヴァージンでもイノセントとはいえないのではないだろうか? 邪悪な殺人鬼とはいえ、キャシーは少なくない人を殺しているのだけど。

2007年07月18日

Hack/Slash: The Series #1-2

さすらいの旅を続けながらスラッシュ(邪悪な力に呑み込まれ殺人鬼と化した人間)たちを狩る、キャシーとヴラッド。教え子たちを虐殺した元教師のスラッシュの居場所をつかむため、キャシーは自分自身をえさにしようとする。しかし、それは危険な作戦だった。アジトに拘束され、身動きひとつできないキャシーに、スラッシュは残酷な拷問を執拗に加えるのだった…。

祝・シリーズ化。#1は主人公2人の再紹介。不幸極まりない境遇から立ち上がり、光と闇の狭間で戦うキャシーとヴラッドはとても魅力的だ。拷問シーンは思わず身の毛がよだつほど。痛さに弱い人は心して読んでほしい。#2は新展開第1話。今回の敵はイマイチだが、サブキャラの女の子がイノセントでセクシーでいい感じ(だけど、きっとひどい目に遭うんだろうな)。#1の出来事をいきなりギャグのネタにしているのには苦笑い。次号が楽しみだ。

2007年02月09日

Hack/Slash: Slice Hard

魔物と化した人間、スラッシュ。各地で血なまぐさい事件を引き起こしている彼らの捕獲に、ある製薬会社が乗りだした。スラッシュの生命力に注目し、新薬の開発材料にしようというのだ。スラッシュ狩りへの協力を依頼されたキャシーは、あまりにも危険な行為だと反対するが…。

今回もおもしろい。魅力的なキャラクター。アイデア豊富な殺戮シーン。残酷な描写が多いのは確かだが、弱者へのまなざしにはむしろ温かさが感じられる。少女時代のキャシーのようすが垣間見られること、彼女のパンチラがたびたび拝めることもファンにはポイントだ。Marvelで仕事をしないかな、Tim Seeley

2006年05月15日

Black Harvest #5

合衆国西部の小さな町、ジェリコで発生する怪異現象。その背景を探るうちに、ダニエルは開拓時代にこの町が深刻な飢饉に襲われたこと、苦境を脱するため、当時の住民たちがある儀式を行ったことを知る。そのころザヤは、殺人マシンとして改造された自分を抑えられなくなりつつあった…。

辺境の地の呪われた記憶にまつわる伝奇ホラー。おもしろい。気まずい、重苦しい、逃げ場のない雰囲気が、悲劇の様相をいっそう深めている。もしも早く楽になりたければ、衝動に身をゆだね、自分をめちゃめちゃにした町の住民たちを皆殺しにするほうが、ザヤにとってはたやすいのだから。

Black Harvest #5Black Harvest #5

2006年04月13日

Black Harvest #4

ザヤの失踪の真相。3年前の夜、彼女はある一団に両親を殺害され、激しい暴行を加えられたのだ。突然天空に現われた光によりかろうじて命を救われたものの、彼女はすでに回復不能なダメージを受けていた…。

彼女の過去がこれほど悲惨なものだったとは。意識を取り戻したあと、右目が潰れていることに気づいたときの彼女の、呆然とした表情が悲しい。胸のタトゥーは誰が何のために彫ったのか。UFOの謎も興味深い。

Black Harvest #4Black Harvest #4

2006年04月03日

Hack/Slash: Trailers

スラッシャー狩りの旅を続けるキャシーとヴラッド。あるときは日本の風俗店、あるときは名門女学校、そしてあるときは宇宙空間と、冒険はさまざまな場面へ二人を誘うのだった…。

“Trailers”という副題のとおり、予告編風の短編を6本収録。さまざま状況設定を楽しめる。なかでも無重力空間でのスプラッター活劇はおもしろいアイデアだ。ひとつひとつの物語が浅いのは難だが、コンセプト上、仕方ないだろう。

Hack/Slash: TrailersHack/Slash: Trailers

2006年03月09日

Hack/Slash: Land of Lost Toys #3

他人の夢の中に入り込み、死をもたらす少年。彼を倒すため、キャシーはあえて夢の世界へ下り立つ。そこは、古代ローマの闘技場さながら、玩具たちが戦いに明け暮れる世界だった…。

おもしろかった。この歳になっていまだに大人になりきれていない僕にはイタタタという部分もあるのだが(苦笑)。いったん追い詰められたキャシーが反撃に転じるところでは、“その手があったか”と驚かされた。Tim Seeleyの物語には哀感がある。彼の作品を追ってみようかなあ。

Hack/Slash: Land of Lost Toys #3Hack/Slash: Land of Lost Toys #3