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2007年12月11日

All-Star Superman #9

ビザロワールドを脱出し、地球に帰還したクラーク。彼の留守の間に、一組のクリプトン人が地球を訪れていた。当初、クラークは彼らを歓迎しようとする。しかし、人々とともに平和に暮らすことを願う彼とは正反対に、この2人は地球人を殲滅し、地球を第2の惑星クリプトンにしようと目論んでいた…。

冒頭、クラークの帰還シーンの表現力にまず目を奪われる。宇宙船が地表に墜落するさいの爆音が、開いたリーフから聞こえるようだ。さらに火山爆発の場面まで読み進んで、この作品では擬音がいっさい使われていないことに改めて気づいた。お話もおもしろい。“年長者は敬うように”には素直に感動。これがスーパーマンの良さだよなあ。

2007年12月10日

Superman/Batman #42

ダークサイド一味に意識を操られ、時空の彼方へ送り込まれたクラーク。地球への帰還はもはや絶望的だった。彼を救おうと、ブルースは文字どおり懸命の努力をする。しかし、彼は認めざるを得なかった。ともに戦っているうちに、ブルースはオリオンの妻、ベッカに抑えがたい想いを抱いてしまっていたのだ…。

“Torment”完結。評価しない人もいるようだが、僕は大満足。ブルースとベッカがもやのなかに消えていくくだりなど、悲鳴を上げたいほどだった(笑)。意志の力だけで時空の壁を突き抜けるのはたしかにむちゃだけど、決戦に臨んでお互いの手を握り合うブルースとベッカを見せられては、もう何を言うのも野暮とあきらめるしかない。いまから続編が楽しみだ。

2007年12月09日

Action Comics #857

本来自分が生んだ世界だというのに、ビザロワールドの住民たちから排斥されるビザロ。彼の苦悩を見て取ったクラークの父は、あることを提案するのだった…。

“Escape from Bizarro World”#3。内容は要するに“泣いた赤鬼”。つまらないわけではないが、ビザロに人間的な苦悩を与えることに意味があるのか、そもそもの疑問を感じる。ビザロ・ジャスティスリーガーのアイデアも「All-Star Superman」に比べると見劣りする。

2007年11月28日

All-Star Superman #7-8

ビザロワールドの出現。ビザロの大群に侵入され、メトロポリスは大混乱に陥る。ビザロワールドを巨大な反射鏡にして地表に光をそそぐというだいたんなアイデアで、みごと事態を収拾するクラーク。しかし、彼自身はビザロワールドに捕らわれ、赤い太陽のもと、急速に体力を奪われていくのだった…。

いわゆる“いいお話”だった#6とはがらりと変わったウィーアドなアドヴェンチャー・テイル。#8で描かれるビザロワールドの異様な光景がいい。ここに登場するザビロ(スーパーマンに憧れを抱くビザロ)の衣装は、スーパーマンごっこに興じる子供のようだ。もしもそうだとすると、彼が急速に年老いていくことにはどのような意味が込められているのだろう。ビザロワールドのジャスティスリーガーたちに苦笑いしながら、“この世界の僕はどんなやつだろう。1日100冊アメコミを読んで100回ブログを更新するやつだったら嫌だな”などと考えた。

2007年11月25日

All-Star Superman #6

クラークがジャーナリストをめざして勉強していたころのお話。大学の休暇を利用してひさしぶりにスモールヴィルへ帰郷したクラーク。中西部の穀倉地帯はちょうど収穫の季節を迎えていた。養父ジョナサンが農作業の手伝いに流れ者を雇ったことを知り、クラークはいぶかしく思う。自分が手伝えば作業などすぐ終わることを、養父は知っているはずなのに…。

佳作。われわれはみな限りある命を生きるもの。だからこそ命を受け継ぐのは尊いことなのだと、自然に納得させてくれる。一度読み終えたあと読み返すと、セリフのひとつひとつが心にしみてくる。Frank Quitelyの絵もすばらしい。人物、風景とも最高だ。

2007年11月17日

Superman #668-669

地球にいる3人めのクリプトン人の捜索にとりかかったクラーク。当初活動は難航したが、ブルースの助けもあり、やがて北カリフォルニア在住の初老の女性が浮かび上がる。面会を求めたクラークに対し、彼女は即座に攻撃を仕掛ける。その手にはクリプトン製の火器が握られていた…。

“The Third Kryptonian”#1-2。新キャラクターが初老の女性とは意外。いままでにないタイプということで選ばれたのだろうか? たとえばクリスはこの先いろいろな展開が考えられるポテンシャルの高いキャラクターだけど、彼女はどうだろう? #668ではそのクリスとティムの交流がほほえましい。年長者らしくふるまうティムだが、クリスにコン・エルのおもかげを見ないはずはないだろう。#669では女性の波乱に満ちた半生が明らかに。一言でいえばアウトローだ。このあたり、機会があればリミテッド・シリーズなどでじっくり読んでみたい。Rick Leonardiの絵は魅力たっぷり。Barry Windsor-Smithの影響がうかがえる人物もいいが、背景の構築感がたまらない。富士山が東京の東側にあるのはご愛嬌。

2007年11月05日

Superman/Batman #41

ダークサイドに拉致され、洗脳されたクラーク。彼を救うため惑星タルタロスに乗り込んだブルースだったが、美しい女神ベッカと出会い、完全に心を乱されてしまう。その間にもダークサイドの計画は着々と進行する。ベッカとブルースの懸命の努力もむなしく、ついにクラークは宇宙の果てへ送り出されてしまうのだった…。

“Torment”#5。冒頭、ブルースとベッカが抱き合う場面に“Purgatory”という副題が置かれているのを見てまず大笑い。こんな煉獄なら僕も行きたいよ。主人公2人がまるでさえないのは難だが、キャラクター描写は的確。後半、クラークが夢を見る場面は、彼の人の良さが出ていていい。Dustin NguyenはMignola×Hester×萌えの解を求めているのだろう。クラークが目を覚ます場面の、瞳の美しさは印象的。女性の顔の中心線の取り方が独特だが、元ネタは誰だろうか?

2007年10月28日

Superman #662-664

魔術師アリオンの警告。“スーパーマンの活動は歴史の歯車を狂わせ、やがて文明の滅亡をもたらす”というのだ。その言葉には説得力が感じられ、さすがのクラークも動揺せずにはいられなかった。そして、“たとえヒーロー活動から身を引いても、他のやりかたで人々の役に立つことができるのでは”と思い至るところまで、一時は追い詰められるのだった…。

おもしろい。このクラークの悩みは、スケールは違っても、誰もが日々ぶつかるものだ。アリオンの言葉はもっともらしいが、その奥底には排外的な思想が潜んでいる。彼はスーパーマンにふさわしい悪役だと思う。戦闘シーンが限られているのにもかかわらず、毎回、スペクタクルな見せ場をきちんと用意しているのが偉い。デイリー・プラネット社の地球儀を運ぶ場面は、思わず息を呑むほどだ。クラークの顔がときどき変わってしまうのはご愛嬌(意外と苦労して描いているのだろう)。女性キャラクターがセクシーなのはポイント高い。

2007年10月24日

Action Comics #850

記憶喪失状態で31世紀に現れた、スーパーガール、カラ・ゾルエル。彼女を21世紀に戻す方法を探るため、ブレイニアック5は過去の世界を映し出すモニターを開発する。装置の試運転のさいカラの脳裏に浮かんだのは、同じクリプトン人でありながらどこか距離を感じていたスーパーマンことカル・エルのことだった。彼はどのような道のりを歩んできたのだろうと…。

第850回記念号。脚本はKurt Busiek、Fabian Nicieza、Geof Johnsの3人。特別号でたびたび用いられるキャラクターの来歴を振り返る構成を利用し、DCユニバースの豊かさを伝えようという意欲が感じられる。ただし、お話のできはいまひとつ。ホスト役のカラは文字どおり見ているだけの人。思いもさっぱり伝わってこない。ひとつひとつのエピソードも目新しさに欠けものが多いうえ、キャラクターの心理状態がへんに沈んでいる。これでは、“ふうん。そういうことがあったのか”以上の感想は持ちようがない。ブレイニアック大集合あたりをふつうのエピソードとして描いたほうがよかったのではないだろうか。

2007年10月20日

Action Comics #855-856

クラークの父、ジョナサンがビザロに誘拐される。救出のため、“ビザロ・ワールド”へ向かうクラーク。しかし、ビザロ・ワールドの青い太陽には、クリプトン人に未知の影響を与える恐れがあった…。

Geoff Johns、Richard Donner(映画「スーパーマン」の監督)、Eric Powellという豪華な顔合わせによるストーリー・アーク、“Escape from Bizarro World”#1-2。ビザロらしい弾けたお話を期待していたが、むしろ生真面目だった。#856の冒頭、ビザロが花の美しさを誤解する場面などが心に残るが、彼の行動原理に失望を据えるのは功罪相半ばするのでは。ビザロが彼の世界を建設するくだりは壮大でいい。