Good As Lily
韓国系アメリカ人の女子高生、グレース。名門大学への進学を決めている才媛。演劇部の顧問の教師にひそかに恋をしているという、かわいらしい一面もある。そんな彼女に、18歳の誕生日の夜、不思議なことが起こる。6歳の自分と29歳の自分、70歳の自分が同時に現れたのだ。大きく戸惑いながらも、自分たちをないがしろにするわけにもいかず、グレースは3人と一緒に暮らすことにするのだった…。
傑作学園恋愛コメディ。Derek Kirk Kimの脚本は情感たっぷり。テンポは軽快。表現は平易。登場人物の心理描写はとても味わい深い。それぞれの幸福をつかんだグレースたちがひとりまたひとりと消えていくさまは、美しい怪談のようだ。“リリー”の人物像が明かされるくだりではしんみり。緻密な構成にも感心させられる。Jesse Hammの表情豊かな絵も魅力。最初は“東洋人の顔つきを強調しすぎだろう”と思ったが、目が慣れたあと周囲の人々を見ると彼の描写は確かに的を得ていて、驚いてしまった。この作品は2007年の最大の収穫のひとつだと思う。