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2007年10月06日

Good As Lily

韓国系アメリカ人の女子高生、グレース。名門大学への進学を決めている才媛。演劇部の顧問の教師にひそかに恋をしているという、かわいらしい一面もある。そんな彼女に、18歳の誕生日の夜、不思議なことが起こる。6歳の自分と29歳の自分、70歳の自分が同時に現れたのだ。大きく戸惑いながらも、自分たちをないがしろにするわけにもいかず、グレースは3人と一緒に暮らすことにするのだった…。

傑作学園恋愛コメディ。Derek Kirk Kimの脚本は情感たっぷり。テンポは軽快。表現は平易。登場人物の心理描写はとても味わい深い。それぞれの幸福をつかんだグレースたちがひとりまたひとりと消えていくさまは、美しい怪談のようだ。“リリー”の人物像が明かされるくだりではしんみり。緻密な構成にも感心させられる。Jesse Hammの表情豊かな絵も魅力。最初は“東洋人の顔つきを強調しすぎだろう”と思ったが、目が慣れたあと周囲の人々を見ると彼の描写は確かに的を得ていて、驚いてしまった。この作品は2007年の最大の収穫のひとつだと思う。

2007年08月23日

Clubbing

ロンドンのゴスっ娘女子高生。クラブ遊びのため身分証明書を偽造したことがばれ、両親から大目玉をくらった彼女は、罰として夏休みをイギリス北部の祖父母のもとですごすことになる。湖水地方の美しい田園風景も、彼女にとっては退屈の極みだった。ある事件が起きるまでは…。

Andi Watson/Josh Howardという意外な顔合わせによるGN。この2人を引き合わせたスタッフの慧眼にまず感心。内容は、一応猟奇的な殺人事件が起きたりするものの、ディスコミュニケーション脱力コメディ。主人公の女の子の傍若無人ぶりが楽しい。クライマックス、事件の全体像が明らかになるくだりの展開は爆笑もの。日常描写も新鮮で“そうか、いまどきのイギリスの若い子はコーンビーフなんて食べないのか。日本の卯の花みたいなものかな”などという発見もある。東京にもゴルフ場はあるんだよね、残念ながら。

2007年07月16日

Re-Gifters

ハプキドーの修行に励む韓国系2世の女の子、ディキシー。ところが、大事な全国大会が迫っているというのに、彼女は練習に身が入らないようす。というのも、彼女はいま、クラスメイトの男の子に淡い恋心を抱いていたのでした…。

これはいい。「My Faith in Frankie」のクリエイターチーム、Mike Carey/Sonny Leiwによる楽しいコメディ。スポーツ大会と恋の行方が絡み合うという日本の漫画の定番設定も、アメコミだと新鮮だ。なにより快活で素直なディキシーが魅力的。試合の場面では本当に彼女を応援したくなった。2007年度のアメコミ・ベストヒロインは彼女で決まり。アフリカ系と韓国系の緊張に関する予備知識が必要なところがあり、英語の言い回しもやや難しいが、中高生の夏休みの読書にも最適だと思う。

2007年07月13日

The Plain Janes

都会に住んでいたひとりの女子高生が、偶然、爆破テロに巻き込まれる。テロの再発を恐れ、彼女の家族はそろって地方へ移り住むことに。しかし、この経験は彼女の人生観を大きく変えていた。いま、彼女の腕には、一冊のスケッチブックが抱えられている。それは、彼女とともに爆破現場に居合わせ、いまなお昏睡状態にある少年の持ち物だった…。

新進作家Cecil CastellucciとJim Rugg(傑作「Street Angel」の作者)のコラボレーション。内容は良くも悪くもヤングアダルト向け。スレた大人としては“そんなことで世の中を変えられるなら誰も苦労しないよ”と言いたい気もする。しかし、不意打ちのように死に脅かされた彼女の心理を慮ると、ああいう行動に出たことは理解できる。サブキャラクターのなかでは、ベンチウォーマーのスポーツ少女が非類型的でおもしろかった。