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2007年12月15日

Batman #667-669

世界各地のクライムファイターの集い、“クラブ・オブ・ヒーローズ”に招かれたブルースとティム。しかし、黒手袋と名乗る謎の組織により、クラブの主催者が惨殺され、さらに出席者たちも命を狙われていく。外界から隔絶された環境の中、事件の解決に向けて動きだすブルースたちだったが…。

ううむ。率直に言って、Grant Morrisonは何をしたかったのか分からない。50年代風の奇想天外な冒険談だろうか? だとすると、全体の固い雰囲気がちぐはぐだ。J.H. Williams IIIの絵は悪くない。キャラクターごとにペンタッチをKevin Nowlan風、Chris Bachalo風、Frank Miller/Klaus Janson風というように使い分けるという、おもしろい試みを行っている。

2007年12月10日

Superman/Batman #42

ダークサイド一味に意識を操られ、時空の彼方へ送り込まれたクラーク。地球への帰還はもはや絶望的だった。彼を救おうと、ブルースは文字どおり懸命の努力をする。しかし、彼は認めざるを得なかった。ともに戦っているうちに、ブルースはオリオンの妻、ベッカに抑えがたい想いを抱いてしまっていたのだ…。

“Torment”完結。評価しない人もいるようだが、僕は大満足。ブルースとベッカがもやのなかに消えていくくだりなど、悲鳴を上げたいほどだった(笑)。意志の力だけで時空の壁を突き抜けるのはたしかにむちゃだけど、決戦に臨んでお互いの手を握り合うブルースとベッカを見せられては、もう何を言うのも野暮とあきらめるしかない。いまから続編が楽しみだ。

2007年12月09日

Detective Comics #829-830

テロ根絶のための国際会議を開催したブルース。しかし、大量の爆発物を携えた男が押し入り、会場は大混乱に陥ってしまう。ホストとしての務めがあるためバットマンに変身できないブルースに代わり、ティムが単身犯人に立ち向かうが…。

Stuart Moore/Andy Clarkeによるフィルイン、“Siege”#1-2。上出来。液状プラスチック爆弾という架空の武器の想定といい、冒頭のブルースのなにげない独白が結末まで残響のように漂う構成といい、Stuart Mooreの物語作りのうまさが光る。道を踏み外したことには間違いないが、犯人の毅然とした態度も印象的。Andy Clarkeの格調高い絵もいい。

2007年12月03日

Detective Comics #828

ブルースの少年時代からの友人が海中に転落、死亡する。経緯に不審を感じ、捜査に取り掛かるブルース。一方、犯罪稼業を廃業し私立探偵に転身したリドラーことエドワード・ニグマも独自に事件を追っていた…。

微妙。Paul Diniは古き良き時代のバットマンのカラフルな雰囲気をある程度取り戻そうとしているように思えるが、だとすればアートがあまりにも不似合いだ。バットマンよりもブルース・ウェインに重みを置いているのはここ数年のバットマン誌のなかでは異色でいいのだが。

2007年11月05日

Superman/Batman #41

ダークサイドに拉致され、洗脳されたクラーク。彼を救うため惑星タルタロスに乗り込んだブルースだったが、美しい女神ベッカと出会い、完全に心を乱されてしまう。その間にもダークサイドの計画は着々と進行する。ベッカとブルースの懸命の努力もむなしく、ついにクラークは宇宙の果てへ送り出されてしまうのだった…。

“Torment”#5。冒頭、ブルースとベッカが抱き合う場面に“Purgatory”という副題が置かれているのを見てまず大笑い。こんな煉獄なら僕も行きたいよ。主人公2人がまるでさえないのは難だが、キャラクター描写は的確。後半、クラークが夢を見る場面は、彼の人の良さが出ていていい。Dustin NguyenはMignola×Hester×萌えの解を求めているのだろう。クラークが目を覚ます場面の、瞳の美しさは印象的。女性の顔の中心線の取り方が独特だが、元ネタは誰だろうか?

2007年10月07日

Superman/Batman #40

無意識状態のクラークから苛烈な攻撃を受けるブルース。とうとう膝をつきかけたそのとき、ひとりの女性が現れ、彼をかくまう。女性はオリオンの妻、ベッカだった。恐れていたとおり、この事件の背後にはダークサイドがいたのだ。以前に立ち向かったことがあるとはいえ、モータルにはかなうはずのない相手が…。

“Torment”#4。うわあ。ブルース、おいしすぎ。全裸で目を覚ましたあと、かたわらにいる美しい女性にかける言葉が“バットマンスーツはどこに?”だよ。その前に隠すべきところを隠しなよ(笑)。いいところなしのクラークには気の毒だけど、辛気臭いバットマン本編ではありえない展開が楽しい楽しい。最後の独白なんか悶絶必至。ランスロット卿かよ。ライターのAlan Burnettはアニメシリーズに関わっていた人か。このままレギュラー・ライターに就任してくれないかな。

2007年09月15日

Batman #666

そう遠くない将来のお話。ブルース・ウェインが非業の死を遂げたあとバットマンのマントルを受け継いだのは、ディックもティムでもなく、ブルースとタリア・アル・グールの間に生まれたダミアン・ウェインだった! 父の死に関与した3人の偽バットマンを執念深く追うダミアン。強引な手段に訴えることもためらわない彼に、ゴッサム市警総監バーバラ・ゴードンは逮捕指令を出す。彼女は、ダミアンこそがブルースに死をもたらした疫病神だと信じていたのだ…。

そうか、#666でこういうお話をしたかったからダミアンという名前にしたのか。Grant Morrisonもけっこうベタだね。お話自体はまあまあおもしろいが、Judd Winickランのジェイソンと比べると可愛らしさが足りないんだよなあ、ダミアンは。外見的にオッサン度が高すぎて、せっかくの全裸シャワーシーンもうれしくないし。飼い猫にアルフレッドと名付けているのはいいんだけどね。このあたりは腐女子のみなさんのご意見を伺いたいところ。

Batman #664-665

売春組織と癒着した腐敗警官たち。彼らの饗宴に呼ばれた売春婦たちが無残に殺害されていることを知り、ブルースは捜査に乗り出す。だが、その過程で彼はバットマン風の衣装を身に着けた巨漢に遭遇し、手ひどく痛めつけられてしまう。この出来事は、彼にある悪夢をもたらすのだった…。

僕には少々難解で、数回読み返してしまった。Grant Morrisonのブルースは強さと弱さの落差が極端でおもしろい。女性には徹底して素顔を見せない人だね。現実だったら、こういうガードの固さはすぐに見透かされると思うのだけど。Andy Kubertの絵はもちろん達者だけど、この物語を描くにはクリーンすぎるような気も。#664後半の殺人現場のシーンなど、腐臭がちっとも臭ってこない。バットマンとロビンの活躍シーンなどは華やかで良いのだが。今なら「Detective Comics」のほうが彼には似合うかもしれない。

2007年09月10日

Superman/Batman #37-39

クラークが突然錯乱、失踪する。彼の捜索を依頼されたブルースは、事件にスケアクロウが関わっていること、その裏にスーパーマン誘拐という大それた計画を実行する何者かいることを察知する。だが、事件の黒幕はブルースといえども太刀打ちが難しい人物だった…。

“Torment”#1-3。傑作の予感。本人には気の毒だが、クラークが失踪するまでのくだりははったりが効いていて読んでいてたのしい。いきなりバットマンに締め上げられ、“今回は自分は無関係だ”と言い訳するレックス・ルーサーに同情。そしてブルースの捜査のようすはまさにデテクティヴ・コミックス。静かな興奮を味わうことができる。Dustin Nguyenの絵もいい。彼のフォルムにはPhil Hester、Mike Mignolaの影響が感じられる。指の描き方、服の影のつけ方など、じっくり味わえる絵だ。

2007年08月10日

Batman #663

8人の道化師が毒ガス弾により殺害される。犠牲者は全員ジョーカーのかつての手下だった。事件の真相をつかむため、ブルースはアーカム精神病院にジョーカーを訪ねる。しかしアーカム博士は、外科的処置によりジョーカーの精神状態は正常になった、彼は事件に関与などしていない、と主張するのだった…。

小説の形をした番外編。技巧を凝らした文章に、“ふだんマンガのスクリプトではできないことをしてやろう”という、Grant Morrisonの意気込みが感じられる。ただし、物語は平凡。ハーレィの描写がまるで表面的なのも減点ポイント。最後の行動など、Paul Diniが書いていたら考えられない。John Van FleetのCGアートも、意欲は買えるが、感覚の古さが目につく。