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2008年04月25日

Spider-Man: With Great Power... #1-2

サイエンス・ギークの高校生、ピーター・パーカー。ジョックスにいいようにからかわれるフラストレーションの多い毎日を送っていた彼に、文字どおり生まれ変わるような出来事が起こる。原子力実験見学中、放射線を浴びたクモに噛まれたことから、遺伝子が変異し、クモの能力を得たのだ。“これを機会にルーザーから脱したい。それにはお金が必要だ”そう考えたピーターは、覆面レスラー“スパイダーマン”としてマット界に飛び込むのだった…。

David Lapham/Tony Harrisによるオリジン・リトールド。お話はいまのところ平凡。“「Amazing Fantasy」#15は本当によくできていたんだな”というのが正直な感想だ。クラスメイトがパーティの話で盛り上がっているところに科学実験がどうこうと割り込むKYなピーター。毎朝彼の肩や腕を触り、成長を確かめて喜ぶベン叔父さん(このひとコマで彼の人物像がわかる)。こういう気配りが行き届いていたオリジナルとくらべると、ステロタイプなキャラクター解釈が目につき、残念ながら薄さを感じてしまう。次号あたりでお話が大きく動くと思われるので、挽回を期待したい。

2008年04月23日

Daredevil #104-105

“Without Fear: Part 5-6”

ミスター・フィアの奸計により殺人容疑を課せられたミラ。彼女を救うには、フィアを取り押さえ、その所業を告白させるしかない。そう決意したマットは、フィアの部下のひとり、オックスを拉致監禁し、激しい拷問を加える。しかし、その間にも、フィアの計画は最終段階へ達しつつあった…。

思わずため息をつきたくなるような展開。読み終えたあと、「Catwoman: Relentless」との共通点がいくつもあることに気づく。そういえばあのお話でも、セリーナの妹の身に二度と取り返しのつかないことが起きた。陰惨で無残な物語だが、ところどころに宝石のような美しさも。とくに終幕のマットのつぶやき、“without fear”を否定する正直な言葉には心打たれた。ミスター・フィアの恐怖ガスを強靭な精神力で克服した男に、なおも恐ろしいことがあるというのだから。

2008年04月22日

Captain America #34-35

“The Death of Captain America Act 2 - The Burden of Dreams: Part 4-5”

スティーヴの遺志を継ぎキャプテン・アメリカの衣装を身にまとったバッキー。しかし、活動開始そうそう、彼はたいへんな困難に見舞われる。レッドスカルの暗躍により、アメリカの人々は不安に駆られ、経済的混乱、社会的緊張が臨界点に達したのだ。そして、群集が政府に抗議しようとホワイトハウスに詰め掛けたとき、悲劇は起こった…。

胸の痛む展開。ことあるごとに“スティーヴだったらどうするだろう”と考えずにはいられないバッキー。彼とともに、読者もスティーヴの不在をあらためてかみしめ、自問自答せざるを得ない。レッドスカルの計画が周到で完璧に見えることも、重苦しい空気を生んでいる。スティーヴと異なり、バッキーには同志と呼べる仲間がいないのもつらいところだ。いったいどうすればこの状況を変えられるのか。いまバッキーが背中に感じている重みはそうとうなものだろう。

Rasl #1

一匹狼の泥棒、ラゼル。ジェットパックとテレポーション能力を操りどのような仕事でも成功させてきた彼だが、今回は勝手が違った。逃走中、正体不明の電撃に打たれ、身体にダメージを負ってしまったのだ。しかも、気づいてみると、辺りの様子は元の世界と微妙に異なっていた…。

Jeff Smithの新作。「Bone」とは異なる暴力的な世界が新鮮。一瞬、David Laphamを思わせるほどだ。物語の流れはまだ見えないが、構成は練りに練られていて、漫画特有のコマ運びの快感を味わうことができる。異世界にいることを悟るくだりがしゃれていていい。ラズルの身の上は気になるところ。左腕の“マヤ”という刺青は何か意味があるのだろうか?

2008年04月21日

Silver Surfer: In Thy Name #4

万人が調和して暮らす理想郷、アマ連邦。それはまったくの偽りだった。支配民族と被支配民族が厳然と隔てられた抑圧的な社会が、連邦の真の姿だったのだ。醜い現実に憤りを感じたシルヴァーサーファーは、ギャラクタスを召還し連邦を破滅の瀬戸際に追い込むことで両民族に和解を迫るという、暴挙ともいえる手段に訴えるのだった…。

ううむ。はっきり書こう。僕はこの物語の主張にまったく賛同できない。だいたい自然界の生存競争と人間同士の搾取・被搾取を同列にできるものだろうか。ラストにいたってはふざけるなといいたい。その美しい光の中でどれほどの命が失われているか、無自覚だとはいわせない。Tan Eng Huatの絵はすばらしく、ギャラクタスの崩壊のシーンなどいきをのむほどだが。

2008年04月18日

Futurama #35

“ミラクル・クリーム”なるものを使用した結果スーパーパワーを手に入れたフレイたち。さっそくヒーロー活動を始めた彼らの前に、アーチ・エネミー、“太陽(サン)の息子”が現れる。衛星軌道に小型太陽を設置され、急激に温暖化していく地球。全生命を守るため、フレイたちは太陽の要塞へ乗り込むのだった!

わはは。実在の犯罪者の名前をネタにしてるよ。いいのかね。さすがにマンネリ化しつつあるものの、フレイとベンダーのバカなやりとりはやはりおかしい。フレイにアンテナを吸われたときのベンダーの動揺の仕方はちょっとあやしい。リーラがアミーを嫌っていることが明らかになる場面では笑わされた。James Lloydの絵はばつぐんにうまい。Bongo Comicsの仕事を中心にしているようだが、本来はどのような絵を描く人なのだろうか。

2008年04月16日

Young Avengers Presents #1

第二次世界大戦中、合衆国陸軍の超人兵士計画の一員だった祖父を持つ少年、イーライ・ブラッドレイ。若きヒーロー“パトリオット(愛国者)”として活躍する彼だったが、その一方でさまざまな問題を抱えた現在のアメリカ社会のありようには疑問を感じざるを得なかった。その迷いは、キャプテン・アメリカ、スティーヴ・ロジャースの死後、ますます膨れ上がるのだった。そんなある日、彼はキャプテン・アメリカのパートナーだったバッキーが祖父を訪ねに来たことを知る。“バッキーはいまのアメリカをどう思っているのか?”それを確かめようと、イーライはバッキーの後を追うのだった…。

若い読者を意識したのだろうか? Ed Brubakerのスクリプトはいつもよりストレート。衒いや韜晦のない彼もなかなかいい。“America is an idea”というセリフには考えされられた(“the idea”ではないのに注意)。余計な気を回してケイトとバッキーの間に予防線を引こうとするイーライがかわいらしい。Paco Mediaってこんなにいいアーティストだったっけ? ていねいな描写が好印象。

2008年04月14日

Glister #3

グリスターが赤ん坊だったころ、吹雪のなかに消えた母。何年間も消息不明だった彼女が、ある夜、グリスターの鏡に映る。母が魔物の国に捕らわれていることを知ったグリスターは、危険をかえりみず、人間の地と魔物の地の境界線を越えるのだった…。

傑作。物語自体はオルフェウス伝説×「雪の女王」といった趣で展開もおおむね読めてしまうが、グリスターのひたむきさには心打たれる。とりわけ“鳥”のくだりは感動的。読み終えたあと、この母娘がふたたび語り合える日が来ることを願わずにはいられなかった。

Ubu Bubu #1

幼い兄妹のもとにやってきたかわいらしい子猫、ウブ。ところが、この子には人類殲滅をたくらむ悪魔、ブブが憑依していた! ウブを救おうと懸命な努力をする兄妹をよそに、着々と大殺戮の準備を進めるブブ。そのかたわらで、幸せそうに昼寝をするウブだった…。

Jamie Smartの新作。彼らしいスラップスティック・ゴス・コメディだ。きつい描写もあるが、毒気はほどほどで楽しく読める。ブブのオリジンがなぜか日本だったり、おかしな英語を口走りながらはしゃぎまくる日本人の女の子が登場したりするのも興味深い。

X-men: First Class #6-7

突然特殊能力を失ったXメン。ミュータントに影響を及ぼす小型彗星が近くに墜落したのだ。タイミングの悪いことに、そのとき、センチネルの大群が学園に近づいていた…。

佳作。空を覆い尽くすセンチネルの圧迫感。その1体を機転で破壊するスコットの頼もしいこと。後半、能力を取り戻したXメンが大活躍する場面はカタルシスたっぷり。キャラクター描写もよく、能力を失ったさいのスコットとウォーレンの対照的な反応が印象的だ。#6はジーンとワンダの交流を描いた短編を併載。こういう内容のアートをCollenn Cooverに発注するということは、編集者か誰かが例のあれを読んでいるのだろう。