Multiple Warheads #1
どこか遠い宇宙で繰り広げられている人狼と異星人の戦争の煽りを受け、戦災に脅かされる都市、デッド・シティ。この街で臓器売買を生業とする女性、セクシアには、ひとつの夢があった。いつか資金が十分に貯まったら、恋人の人狼、ニコリとともに、平和に暮らせるところへ移るという夢が…。
9・11後の米国社会への違和感を表明した作品のひとつ。“人狼と異星人の戦争? 他人事を気取るんじゃないよ”と言いたい気もするが、戦争など関わりたくないという気持ちも理解できる。街に降り積もる雪のひとかけらひとかけらに意味があるというくだりは忘れ難い。この雪はWTC崩壊時に発生した灰の比喩なのだろう。そのなかには人間の遺灰が含まれていたかもしれないのだ。中盤に挿入される恋人同士のセックス・シーンが甘美でいい。作者のBrandon Grahamはポルノ・コミックも手がけているようだ。機会があればそちらも読んでみたい。
投稿者: Anonymous | 2010年07月30日 11:28